第12章 交わることはない

言語障害のある子が、一体何をしでかすというのだ?いずれにしても始末してやる。藤原花子は不機嫌そうに立ち去った。

一方、残されたグループは高橋隆司の出現によって食事の時間が台無しになってしまった。

江口美咲が口を開いた。「別の場所で何か食べに行かない?さっきほとんど食べてなかったじゃない」

鈴木薫は手を振って断った。「もういいわ。あなた知らないでしょうけど、さっきの高橋隆司のあの態度にはほんと死ぬほど驚いたわ。まだ落ち着かなくて、何も食べる気がしないの」

「そう、大変だったわね」江口美咲は高橋隆司と生活を共にしていたため、彼の威圧感をよく知っていた。

鈴木薫は少し...

ログインして続きを読む