第120章

彼らが去っていくのを見て、高橋隆司は大股で後を追った。

出口は見つけにくくはなかったが、先ほど江口美咲は恐怖で正気を失い、無計画に走り回ったため道に迷ってしまっていた。

今は冷静さを取り戻し、程なくしてお化け屋敷から出ることができた。

まぶしい日差しが顔に当たり、江口美咲は思わず目がくらんだ。

高橋隆司は彼女のすぐ後ろにぴったりとつき、視線を彼女に固定していた。

二人はそれぞれ違うことを考えていた。

鈴木薫は二人の間の雰囲気が少し奇妙なのを見て、江口美咲を脇へ引き寄せ、耳元で小声で尋ねた。「どうしたの?何の手伝いを頼んできたの?」

江口美咲は我に返り、無意識に少し離れたところに...

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