第150章

水しぶきの中、星ちゃんの甘えた声がはっきりと響いた。

その言葉を聞いて、江口美咲は思わず息をのみ、自分の耳を疑うほどだった。水槽の前にしゃがみ込み、キラキラした瞳で自分を見つめる女の子を唖然として見つめた。

健太も呆然と動きを止め、自分が水をかけられたことさえ気にしていなかった。

星ちゃんはというと、すでに振り返ってベルーガとの遊びを再開していて、三人が驚愕している様子にまったく気づいていなかった。

次のプログラムが始まり、スタッフが彼らを席に戻るよう促した。

江口美咲と二人の子どもたちがまだ呆然としているなか、星ちゃんは何事もなかったかのように江口美咲の隣に座った。

「どうした...

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