第160章

石川七海は二人一緒に立っている姿を見て、さらに角に一人で座っている江口美咲を見ると、内心で得意げな気持ちになり、年上たちの側から離れる口実を作った。

「やぁ、江口さんはどうしてこんな寂しそうにここに座ってるの?」

江口美咲は頭の中が混乱していた。やっと角の席に座り、少しの間静かに自分の思いを整理しようとしていた時、突然耳元で意地悪な声が響いた。

顔を上げると、石川七海が高慢な態度で目の前に立っているのが見えた。

その様子に、江口美咲は眉間にしわを寄せ、心に一筋の苛立ちが走った。

さっき年上たちの前で、石川七海は高橋隆司と藤原花子がどれほど相性がいいかを散々褒めちぎっていた。

しか...

ログインして続きを読む