第31章

佐藤川は何度も電話をかけてみたが、どれも同じような結果だった。たまに電話に出てくれた相手もいたが、結果はあまり良くなかった。

「貴方たちの研究所とは協力しないわ。特に理由はないの、ただ貴方たちとは協力したくないだけよ!」

「うちは赤字になるような取引はしたくないんでね、提示価格は本当に……」

江口美咲はこの反応なら交渉の余地があると感じ、すぐに言った。「価格が低いなら再検討できますよ。倍額にすることだって可能です!」

「倍額?少なくとも四倍だ!そうでなければ協力なんて考えるな!」

「四倍ですって?あまりにも高すぎるのでは?」江口美咲は驚いた。この価格は藤原花子の要求よりも高く、まさ...

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