第36章

石川七海は江口美咲の強気な態度に腹を立て、不機嫌そうに言った。「そんなに凄いなら、おじいさんを治してみなさいよ。何様のつもりで花子姉さんを疑うわけ?」

「この何年も、おじいさんの病気を治すために、あちこち奔走して、たくさんの医者を連れてきたのよ。隆司兄さんだってどれだけおじいさんのことを気にかけてくれたか。軽々しく彼らの努力を否定するなんて、自分が誰だと思ってるの!」

江口美咲はその言葉を聞いて眉をひそめ、無意識に傍に立っている人物に視線を向けた。彼の顔に何の表情も見られないことを確認すると、続けて言った。「あなたと口論する気はないわ。事実がどうかは私の言葉ではなく、証拠が物語るもの。石...

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