第41章

針を打つのに比べて、抜針の過程は遥かに簡単だった。

わずか十分ほどで、老人の体から針はすべて取り除かれた。

江口美咲は簡単に彼の脈を確認すると、淡々と自分の道具を片付け始めた。

石川悠斗と石川七海の二人はベッドの傍らに立ち、心中は不安でいっぱいだった。

これまで多くの名医を訪ねたが、結果はいつも徒労に終わっていた。

今回、おじいさんは目を覚ますだろうか……

二人の熱心な視線の中、石川おじいさんの指が微かに動いた。

次の瞬間、石川おじいさんはゆっくりと目を開け、眉をしかめながら弱々しく咳き込み始めた。

「おじいさん!」

石川悠斗は慌てて腰を下ろし、老人の背中をさすりながら、驚...

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