第43章

石川悠斗は彼女の承諾を得て安心し、笑みを浮かべながら言った。「そう言ってくれるなら安心だよ。明日、契約書を準備しておくから、後は署名するだけでいいからね」

江口美咲は頷いて了承した。

報酬の件を話し合い終えると、石川悠斗は自ら彼女を玄関まで見送り、車で去っていく姿を見届けた。

江口美咲の車が遠ざかるのを見届けると、石川悠斗は屋内に戻り、高橋隆司に電話をかけた。

「石川おじいさんの具合はどうだい?」

電話が繋がるとすぐに高橋隆司の声が響き、背後には水の流れる音が混ざっていた。

石川悠斗は笑いながら答えた。「もう目を覚ましたよ。江口先生は確かに腕があるね」

そう言ってから、先ほどの...

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