第46章

江口美咲は特に何も言わずに頷き、二人の子供たちの手を引いて先生のところへ行き、挨拶を交わした。

ちょうど立ち去ろうとしたとき、視線が無意識に女の子の方へと向いてしまった。

三人が帰ろうとしているのを見て、星ちゃんは慌てて滑り台から立ち上がり、目をじっと彼らに向けた。

側にいた先生は彼女が転ばないよう、すぐに手を伸ばして支えた。

「この子は……」

江口美咲はちょっと躊躇ったが、やはり気になって一言尋ねた。

二人の子供たちは彼女が何を聞きたいのか察して、先を争うように答えた。「ママ、この子も同じ幼稚園で、僕たちと同じクラスなんだよ!今日はまだお父さんもお母さんも迎えに来てないから、僕...

ログインして続きを読む