第48章

高橋隆司は車の中の二人の小さな子供に気づかず、自分が遅れてしまったことを知り、大股で幼稚園の中へ歩いていった。

中に入るとすぐに、滑り台の横に立つ二人の姿と、ほとんど江口美咲の胸に飛び込むようにしている星ちゃんの姿が目に入った。

「星ちゃんのお父さん、いらっしゃいました!」

先生は来訪者を一目見るなり、すぐに敬意を込めて挨拶した。

高橋隆司は軽く頷き、三人の前まで歩み寄ると、自分の娘に一瞥をくれた後、冷ややかな目で江口美咲を見た。「なぜここにいる?」

男性の周りに漂う敵意を感じ取り、江口美咲は少し不思議そうに眉をひそめた。

傍らで、先生は驚いた様子で彼らを見ていた。「お二人は.....

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