第51章

翌日、ちょうど週末で二人の子供たちは幼稚園に行かなくてもよかった。

江口美咲は彼らを連れて研究所に行くつもりだった。

ちょうど支度を整えて出かけようとしたとき、突然ドアベルが鳴った。

江口美咲は鈴木薫が来たのだろうと思い、立ち上がってドアを開けた。

ドアの前に立っている人を見て、江口美咲は眉間にしわを寄せた。「星ちゃん?どうしてここに来たの?」

そう言いながら、無意識のうちに視線を上げて辺りを見回した。高橋隆司が遠くで待っているかと思ったのだ。

しかし、あたりを見渡しても、ドアの前には星ちゃん以外に誰の姿もなかった。

江口美咲は視線を戻し、しゃがんで女の子の目を見つめた。「おば...

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