第57章

ママの話を聞いた途端、二人の子供たちの警戒心が一気に高まった。

「ボクのママに何の用なの!」陽は遠くにいる男性を警戒するように見つめ、まるで今にも飛びかかりそうな子犬のようだった。

実際には攻撃力など皆無なのに、それでも必死に威嚇するような姿勢を取っている。

高橋隆司はこの小さな子の敵意を感じ取り、その警戒している様子を見て、不思議に思いながらも可笑しくも感じた。しかし特に気にした様子もなく、ただこう言った。「この二回、星ちゃんのことを見てくれてありがとう。何はともあれ、直接お礼を言わせてほしいんだ」

その言葉を聞いて、陽は内心少し安堵したものの、小さな顔はまだこわばったままだった。...

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