第64章

高橋茂樹も追及せず、孫娘が学びたいというなら教えてやろうという態度だった。

祖父と孫は使用人に筆と墨を持ってこさせ、ダイニングのテーブルで早速習字を始めた。

高橋隆司は父親が星ちゃんの面倒を見ていることに安心し、二人に一声かけてから書斎へと上がっていった。

藤原花子は歯ぎしりするほど腹が立っていた。

彼女にだってわかる。この雑種は明らかに自分から遠ざかりたいがために、何度も高橋家の人々の前で自分を拒絶しているのだ!

このままでは、高橋家の両親がきっと何か異変に気づいてしまう!

だめだ、どうしても機会を見つけて、この雑種にきちんとしたお仕置きをして、大人しくさせなければ!

……

...

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