第71章

藤原グループ。

ウイルスの影響で、会社は午前中ほぼ完全に業務が停止していた。

藤原花子は技術部に張り付いており、しばらくおきに怒号を上げていた。

「藤原理事長」

林田成の声が彼女の耳元に響いた。

声を聞くと、藤原花子は慌てて表情を取り繕い、目を伏せながら入ってきた人物に挨拶した。「お父さん、どうしていらしたんですか?」

藤原信一の四角い顔には重々しい表情が浮かんでいた。「どうした?まだウイルスを処理できていないのか?」

技術部の責任者は藤原花子に午前中ずっと叱責され、今や額には冷や汗を浮かべながら頭を下げて謝罪した。「藤原理事長、私どもは本当に全力を尽くしておりますが、このウイ...

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