第72章

陽は健太ほどコンピューターに詳しくなかったが、それでも多少の知識は持っていた。

藤原グループは午前中ずっと進展がなかったのに、今突然動きがあり、健太さえも押され気味になっていた。

向こう側の人間は間違いなく只者ではない。

そして、絶対に藤原グループの人ではないだろう。

午前中の時間があれば、藤原グループが外部の援助を求めるには十分だった。

「おそらく……高橋グループの人かもしれない」陽にはそれしか考えられなかった。

高橋グループの技術チームは優秀さで知られていた。

それに、あの女性が本当に星ちゃんのママなら、藤原グループが高橋グループに助けを求めないはずがない。

それを聞いた...

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