第77章

高橋隆司はレストランの入口から少し離れた場所に立ち、小さな女の子がようやく笑顔を見せたのを見て、複雑な感情を目に宿した。

自分が長い時間かけて慰めても効果がなかったのに、この母子三人の数言葉であっさり笑顔になるとは思いもよらなかった。

星ちゃんは泣き止んだだけでなく、笑い出していた。

しばらくその場に立ち尽くし、星ちゃんが二人の子どもたちにからかわれて顔いっぱいに笑みを浮かべるのを見た後、高橋隆司は足を踏み出して星ちゃんを連れ戻そうとした。

ここに来たのも星ちゃんが自分の目で確かめたかったからで、今確認できたのだから、もう帰るべきだった。

星ちゃんのそばまで歩いてきたとき、小さな女...

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