第79章

すぐに、江口美咲は救急箱を持って戻ってきて、丁寧に星ちゃんの傷の手当てをした。

星ちゃんは終始おとなしく、痛いときも少し身をすくめるだけで、すぐにまた手を差し出した。

その様子を見て、江口美咲の心はすっかり溶けてしまった。

手当てが終わると、江口美咲はそのまま星ちゃんの隣に座った。

陽は気遣いよく席を譲り、お茶碗を抱えて高橋隆司の隣に移動した。

「おばさんが食べさせてあげようか?」江口美咲は星ちゃんの意見を尋ねた。

星ちゃんはもちろん断るはずもなく、期待に満ちた表情で小さく頷いた。

江口美咲は笑みを浮かべながら星ちゃんのお茶碗を手に取り、女の子に食事を食べさせ始めた。

綺麗な...

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