第7章 もう終わりよ

 杏子視点

 「こんなの嘘! 全部でっち上げよ!」愛美は隆志の腕を振りほどき、カメラに向かってヒステリックに叫んだ。

 「うわ、最低……」近くにいた芸能人の一人がそう呟くのが聞こえた。

 「結婚記念日に浮気って……どんな神経してんのよ」別の声が続いた。

 「杏子……お前がやったのか?」隆志が恐怖と怒りに満ちた目で私を見た。

 「最後の美しい日々を楽しんでって、言ったでしょ」

 私は麗子の手を取り、私たちが作り出した混沌を後にして、レッドカーペットの舞台から毅然と立ち去った。

 後ろで渦巻く混沌は、美しくさえあった。カメラのフラッシュが夜を照らし、私と麗子がレッドカーペットの大惨...

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