第6章

瑞穂視点

 深夜の埠頭。クレーンの落とす巨大な影に身を潜め、私はインカムに向かって囁いた。

「三番のコンテナだ。開けろ」

 智志の部下が錠をこじ開けた瞬間、四方八方から強烈なサーチライトが浴びせられた。

 私は目を細める。

 コンテナの裏手から、和孝が姿を現した。革靴がコンクリートを叩く乾いた音が、やけに響く。その後ろには、武装した部下が八人控えていた。

「瑞穂」

 彼は五メートル手前で足を止め、私の表情を鑑賞するかのように言った。

「想像以上に、逃げ隠れが上手いな」

 私は動かない。

 彼は二歩近づき、私の平坦な腹部に視線を這わせると、眉をひそめた。

「子供は? もう...

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