第7章

瑞穂視点

 和孝の瞳が、凍りついたように収縮した。彼は一歩後ずさり、その視線は私と智志の間を激しく行き来する。

「ありえない。瑞穂は孤児のはずだ」

 智志は何も言わず、ただスマートフォンを取り出した。ある写真を表示させ、画面を和孝に向ける。

 それは家族写真だった。白いワンピースを着た私、その隣に立つ智志、そして私の肩に手を置く父。

 写真の右下には日付がある。七年前のものだ。

「白石家だ」智志はスマホを懐にしまう。

「二十年前、抗争から逃れるため、末娘を証人保護プログラムに入れたんだ」

 彼は一拍置き、一言一句噛みしめるように告げた。

「お前が結婚する際に調べ上げた『潔白...

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