第154章

小さな窪みに差し掛かったところで、コーラが不意に足を止め、私の方を振り向いた。

「血統よ」彼女の声は静かだが、ずしりとした重みがあった。「結局はいつも、血統に行き着くのよ、フィービー。数千年にも及ぶ、途切れることのない一本の鎖。私たちの血筋こそが力なの。それがなければ、我らの一族は滅びる運命にあるわ」

私は眉をひそめ、松葉杖を握る手に力を込めた。

「でも、どうして? 私たちがエレクトラの継承者だとか、女神に選ばれたとか、そういうのは分かるわ。でも、世界の運命が無作為に選ばれた人たちにかかってるなんて、どうしても納得できない」

「無作為なんかじゃないわ」コーラは鋭い口調で遮り、その厳しい視線...

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