チャプター 162

黒曜石の壁が再び呻き声を上げ、不吉な亀裂音と共にその裂け目が広がっていく。頭上から塵とガラスのような破片が崩れ落ち、洞窟の床に降り注ぐ。私は息を呑み、体を支えようととっさにコーラの腕を掴んだ。

「私……私なら、止められると思う」

自信なさげに震える声で、私は言った。

コーラは鋭く振り返った。その表情は険しい。

「フィービー、だめよ。まだ回復していないのよ。もう十分無理をしたじゃない」

「じゃあ、やらなかったらどうなるの?」

私は言い返し、意志の力だけで壁を繋ぎ止めようとするかのように、視線を壁に固定したまま言った。

「閉じ込められたのよ、コーラ。他に選択肢なんてない」

彼女が反論する前...

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