チャプター 177

コウタ王子が去った後、部屋の空気は冷たく重くなった。

コーラと顔を見合わせるが、互いに言葉は出ない。その代わり、私たちは浴室へと向かった。招かれざる影のようにまとわりつく緊張感を、一刻も早く洗い流したかったのだ。

浴室に入ると、私は少し気楽な話題に切り替えることにした。「彼が姿を変えたこと……水中で脚を持つなんて可能だとは知らなかったわ。私がそうなるときはいつも、溺れているときだけだから」

コーラは足を止め、考え込むような表情で振り返った。「あなたの血は十分に強い」と彼女は言う。「あなたには変化の能力があるわ。あとは集中力の問題よ。来て、教えてあげる」

温かいお湯が腰のあたりで渦巻く中...

ログインして続きを読む