チャプター 193

闘技場は今、静まり返っている。だが、それは穏やかな静けさではない。嵐が訪れる直前特有の、張り詰めた重苦しい沈黙だ。アリーナを取り囲むように吊るされた生体発光の珠が、ほのかに揺らめく光を放ち、身を乗り出した観衆の期待に満ちた顔を照らし出している。

緊張感はまるで電流のように、辛うじて抑え込まれた奔流となって水中を駆け巡る。ゲートが再び重々しい音を立てて開いた。今回現れた怪物たちは、さっきまでの群れとは似ても似つかない。より巨大で、より強靭で、より凶暴な――悪夢から生まれたような獣たちだ。

最初に姿を現したのは、巨大なシャコだった。その体は生ける宝石のように煌めいている。その鎌が弾ける音は鋭く...

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