チャプター 198

ケイルは滑らかに前へと進み出た。その動きは、アリーナにいるすべての者の視線を一身に集めていた。彼は背筋を伸ばして立ち、その瞳はアリーナの床を這う溶岩の脈のように明るく燃えている。その眼差しの黄金の輝きは決して陰ることがなく、群衆の間に波紋のように広がる恐怖や不安とは鮮やかな対照をなしていた。タンガロアの力が血管を駆け巡り、今の彼は、古(いにしえ)の不滅なるものの化身そのものに見えた。

レイフは膝をついたままだ。その顔は信じられないという思いと怒りで土気色になっている。何かをブツブツと呟いているが、距離がある上に、耳元で鳴り響く私自身の鼓動の音にかき消されて言葉は届かない。ケイルは彼をじっと見...

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