チャプター 209

ケイルに案内され、私たちは彼の一族の宝物庫へと足を踏み入れた。そこは隠された部屋で、古代エンキ族の神秘的な工芸品で満たされている。壁は魔法を帯びた遺物の輝きで揺らめき、その一つひとつから眠れる力が低い唸りを上げているのが感じ取れた。

金箔を施した胸当てに指を這わせ、その表面の下に微かなエネルギーの脈動を感じると、歴史の重みが胸に迫ってくるようだった。あたりには古びた魔法の香りが充満している。それは何世紀もの間、誰の手にも触れられず、再び使い手が現れるのを待ち続けている場所特有の濃厚な気配だ。

「これらは何世代にもわたって、我が一族に伝わってきたものだ」ケイルは畏敬の念を込めて言った。「その...

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