第二十七章

深淵への潜行は過酷だ。肉体的にではない――もっと荒れた海流も生き延びてきた――だが精神的に、深く潜れば潜るほど何かが削り取られていく。ここでは水さえ重く感じる。濃密で、古い。海の他の場所がとうに忘れてしまった記憶を、この水だけは留めているかのようだ。

潜行中、アクセルは奇妙なほど静かだ。辺りを照らすのは、発光魚の淡い明滅と、俺のオーブが放つ鈍い輝きだけ。その静けさが、最初の危険信号だったはずだ。

アトラスは生命の活気に満ちているが、ここは? この海溝、アビスのこの一画は? 死んだように静かだ。自分の心臓の音が耳元でうるさいほど響く、そんな静寂だ。

ついに〈忘れられた砦(フォガットン・キー...

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