第304章

大評議場はアトラスの腹の底、堅固な岩の石柱をくり抜いて作られた場所にある。ここでは海流が迂回するように設計されているため、水は重く、まるで儀式のように静止している。床からは黒い座席が螺旋状にせり上がり、その一つひとつに、一瞥だけで艦隊を指揮できそうな重鎮たちが腰を下ろしていた。

ウェイクの父、今や単に「王」と呼ばれるその男は、広場の中央に座している。こわばった面持ちで沈黙を守る彼は、権力の代弁者というよりは、単なるお飾りに見えた。それでも彼は腕を組み、感情の読めない瞳で泰然と構えている。その両脇を固める軍の将軍たちは、味方同士の中にいるというのに、武器の柄に手をかけていた。

そして評議員た...

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