チャプター 317

水の中には、エステリスの雰囲気にはそぐわない緊張が漂っている。いや、もはや「そぐわない」などとは言えないか。ヌーの野営地を離れて以来、ずっとこうなのだから。

私は何度も背後を振り返る。なぜだかは分からない。何かが見えるわけではないのだ。明らかに尾行してくる者もいない。監視者の姿もなく、磨き上げられた尖塔や、朝日に揺らめく滑らかな塔の陰に忍び寄る人影もない。

だが、その感覚は確かにそこにある。

ウェイクもそれを感じているようだ。彼の肩は強張っている。この五分間、一言も発していない。宮殿の衛兵――我らが「信頼すべき」お目付け役――への文句さえ言わない。招かれざる客だと気づかないフジツボのよう...

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