チャプター 95

ヒロが言葉を終えるよりも早く、リオがバーに入ってきた。私の心拍数が一気に跳ね上がる。反射的にテーブルの上へ手を滑らせ、私たちが今まで没頭して調べていた図面を隠した。私はこわばった笑みを浮かべ、何でもないふりを装う。

「どうも、また会いましたね」リオは申し訳なさそうな笑みを浮かべて言った。「お邪魔してすみません。でも、あなた方の興味を引くかもしれないことを思い出したんです」

さっきの電話のショックを引きずっているのか、ヒロはまだ呆然とした様子だ。私と一瞬視線を交わしてから、リオに向き直る。「邪魔だなんて、とんでもないわ」私は彼を手招きしながら、滑らかに応じた。「どんな情報でも助かります」

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