第75章

高橋契は助け舟を出したかったが、打つ手がないのも事実だった。二人は憔悴しきった顔で、佐藤聡のオフィスへと足を踏み入れた。

今日の佐藤聡もまた、疲労の色を隠せない様子だった。だが、力なく入室してきた二人を一瞥しただけで、その報告内容を悟ったようだ。

佐藤聡は冷ややかな視線で二人を射抜き、氷のような声で問う。

「調査は済んだのか?」

荒垣誠は冷や汗を流し、今にも辞表を出しそうな顔で弁明する。

「佐藤社長、昨日のシステム侵入はあまりに不可解でして……神出鬼没と言いますか、突然現れては、まるでこの世から消滅したかのように痕跡が残っておらず……」

ダンッ!

佐藤聡の大きな掌がデスクを叩く...

ログインして続きを読む