第77章

急に用事を思い出したという可能性もある。

「翔太さん、何か用事でしょうか? 私たちがそちらへ行くのか、それとも彼がここに来るのか……」

林田知意は少し不思議そうに尋ねた。

「田村社長はもうこちらに向かっているはずです」

北村南がそう答えているうちに、間もなくしてドアがノックされ、田村翔太が入ってきた。

田村翔太の手には高級そうな箱が握られていた。中身は上質な茶葉だ。

「せっかくお前ら二人と集まれるんだ。午前の仕事は全部キャンセルして、茶でも飲もうと思ってな」

葉田南霆は彼に視線を向け、表情一つ変えずに言った。

「その様子じゃ、何か魂胆があるのは見え見えだ。言ってみろ、俺に頼み...

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