第96章

空席を探してトレイを運んでいたある社員は、足元にいる自由の存在にまったく気づかなかった。

自由の体が極端に小さいということもあるが、そもそもこの社員食堂に子供がいるなど前代未聞だったため、誰一人として足元に注意を払っていなかったのだ。

不運にもその社員は自由とぶつかり、トレイの上のスープが彼女にかかってしまった。

「あいたっ」

自由は派手に転び、ついた掌が赤く腫れてしまう。

その声を聞いて初めて、社員は自身の足元に子供がいることに気づき、飛び上がるほど驚いた。

「うわっ、なんでこんなところに子供が!?」

その叫び声で食堂中の視線が集まり、人々はようやくここに子供が紛れ込んでいる...

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