第13章 太陽が西から昇った

今日、父の生前の弁護士との面会が予定されていた。待ち合わせは午前10時。

面会の内容は、おおよそ予想がついていた。

着替えを済ませた千葉清美は、バッグを手に部屋を出た。

季節は秋に入り、冷たい雨が降ったばかりで、千葉清美は肌寒さを感じた。思わず身震いする。

今日は会社へ行くため、スカートを履いていた。下は薄手のストッキングだけ。

秋風が吹くたびに、身体が震えた。彼女は足早に高級住宅街の外の大通りへと向かった。

タクシー乗り場まで徒歩10分ほどかかる。

福江家の銀色のベントレーが、千葉清美の傍をゆっくりと通り過ぎた。

福江良平が後部座席に座っていた。

何気なく窓の外を見やると...

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