第21章 彼が好きな女性はあなたではない

世間の目から見れば、千葉清美と唐沢知子は、ただの親友同士が食事をしながらおしゃべりを楽しんでいるように見えるだろう。

まさか二人が本物のライバル同士だとは、誰も想像すらしないはずだ。

千葉清美はジャガイモを一口飲み込み、お皿の料理を食べ続けながら言った。

「福江良平の新しい奥さんになりたいなら、もっと頑張らなきゃダメじゃない?なんだか全然焦ってないみたいだけど」

唐沢知子は水を一口飲んで答えた。

「そんな簡単なことじゃないのよ。そうだったら、私だってこんなに長い間良平の側にいて、何も成し遂げられなかったわけないでしょう。それに、美子さんがあなたのことを気に入ってるって聞いたわ。美子...

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