第31章 手を組む

「あの女、彼のことが好きじゃないと思う」

中田美枝は心配そうに尋ねた

「彼は精神的に何か問題があるんじゃない?普通の人なら、子供が嫌いでも殺そうなんて思わないわよ」

中田美枝は娘の肩をポンと叩いた

「大丈夫よ、まずは彼のことは気にしないで。離婚してくれなくても、お母さんのところに住めばいいの。そのうち、こっそり子供を産んで、お母さんが面倒を見てあげるから」

「お母さん……」

千葉清美は中田美枝の肩に頭を預けた。長い間堪えていた涙がようやく安心して流れ落ちた。

中田美枝は彼女の背中を優しく撫でた。

「清美、まずは横になって休みなさい。何か食べるものを作ってくるわ。...

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