第32章 変化があった

千葉清美は眉をひそめ、彼を疑わしげに見つめた。「手を組む?」

福江翔也は急いで声を潜めた。

「そうだ。俺たちは二人とも福江良平に恨みを持っている。あいつはお前の子供を殺した。俺のことも散々虐げてきた。だったら手を組んで、あいつを始末しようじゃないか」

最後の言葉を口にする時、福江翔也の目には凶暴な光が宿っていた。

千葉清美は一瞬固まった。どれほど福江良平を憎んでいても、彼を殺すなんてできるはずがない。

まず、人を殺すのは犯罪だ。それに、千葉清美は福江良平の罪が死に値するとは思えなかった。

だが福江翔也はそうは考えていなかった。

「清美、今すぐ福江家の別荘に戻るん...

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