第35章 彼女を囲っているじじい

 「彼も金庫を持っていたの?私、知らなかったわ」

 「そこには千葉グループで最も価値のあるものが入っている。生前、彼から何も聞いていなかったのか?」

 「このくそじじい!」

 「今そんな話をしている場合じゃないでしょ。何の金庫?何のパスワード?」

 「千葉は自分のオフィスの隠し場所に置いていた。その上には彼と千葉清美の家族三人の写真が飾ってある。お前と千葉花子には関係ない」

 千葉智子は向こうで怒り狂っていた。

 「このじじい!もっと早く死ねばよかったのに。何年も無駄に世話をさせて。あの人の目には私たち母娘なんて全然入っていなかったのね。幸い私は早めに手を打っておいたわ」

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