第36章 見知らぬ男

「つまらない」千葉清美は白眼を向け、表情を変えずに食事を続けた。

隣では福江良平と誰かが会話していた。

「福江社長、あなたの甥っさんが外で相当な借金を作っているようですね。お二人の仲が良くないなら、後で私が彼に借金の取り立てをする時、知らないふりをしていただければ結構です」

「福江社長、同じ福江家の人間なのに、どうして福江翔也みたいな人間がいるんですか?彼がどれだけ厚顔無恥か御存知ですか?女子高校生を誘惑してホテルに連れ込もうとしたところを、その子の両親に現行犯で捕まったんですよ。本当に許せませんね」

「聞くところによると、この福江坊さん、最近金欠で女に囲ってもらっていると...

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