第42章 私と二人きりになりたいの?

彼女はまだ鈴木舞に福江良平をどう紹介すればいいか考えあぐねていた。絶対に二人を会わせるわけにはいかない。

福江良平は道中ずっと千葉清美を見つめていた。彼女の表情がコロコロと変わる様子が不思議でならなかった。

映画を見るだけなのに、そんなに考え込むことなのだろうか?

あるいは、彼が映画に誘ったことで、彼女は舞い上がって興奮しているのか?

だが、それにしては興奮しているようには見えない。むしろ途中で逃げ出したいとでも思っているような表情だ。

運転手が福江良平と千葉清美を映画館の入り口まで送り届けると、そのまま離れていった。

千葉清美が顔を上げると、福江良平のボディガード...

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