第14章

葉山風子が試着室から出てきたとき、すべての服はすでに包装されていた。

「こんなにお金かかったら、会社は絶対に経費で落としてくれないわよ!」

葉山風子は少し緊張した様子で相澤俊を見つめた。この男が、こんな方法で自分を口説こうとしているのではないかと心配していた。

相澤俊は笑いながら首を振った。

「これは社長の命令なんだ。社長の秘書として、君が社長の代わりに重要な場に出席するなら、素晴らしい服が必要だと。結局は社長の面子にも関わることだからね」

葉山風子はもう完全に言葉を失った。もし彼女が社長と会ったことがないと確信していなければ、社長が彼女を口説こうとしているのではないかと疑ってしま...

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