第16章

相澤俊はちょうど携帯を手に取り、誰からの電話なのか確認しようとしたところで、桂原明に携帯を奪い取られてしまった。

「お前は誰だ?この携帯の持ち主はどこにいる?」桂原明は突然尋ねた。

電話の向こうは一瞬沈黙した後、逆に質問してきた。

「僕に聞く前に、まず自己紹介するのが筋じゃないかな?それに、なんでだろう、その声すごく聞き覚えがあるんだけど」

相手がそう言うのを聞いて、桂原明も相手の声に聞き覚えがあると感じた。すぐに頭の中で相手の名前を思い出した。

「上本圭!お前と話している暇はない。携帯の持ち主がどこにいるか言え」桂原明は冷たい声で言い放った。

電話の向こう側にいるイケメン、上本...

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