第17章

警察署への道中で

葉山風子は少女と会話を交わしながら、少女の名前が小森玉子で、別の都市から友人を訪ねてこの地に来たことを知った。

会話が深まるにつれ、葉山風子は思いがけない発見をした。小森玉子と自分が同じ芸能人のファンだったのだ。これにより二人の共通の話題が増え、より親しくなっていった。

「正直言うとね、あのときそのあまがワインをかけてきたときは本当に頭にきたの。わたし、彼女に対してすごく礼儀正しくしていたのに、まさかそんなことをするなんて。だからわたし、彼女の髪をつかんでソファに押さえつけて、思いっきり殴ってやったのよ」

葉山風子が田中社長との戦いの顛末を語ると、運転中の小森玉子は...

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