第18章

桂原明は葉山風子が持ってきた食べ物を美味しそうに味わっていた。今日は葉山風子の行方を探すために食事をしていなかったので、ようやく空腹を満たすことができた。

最後のケーキを食べ終えた桂原明は、満足そうにゲップをした。

立ち上がってテーブルの上の紙ナプキンで手を拭こうとしたとき、突然テーブルの上に葉山風子のスマホが置かれているのに気づいた。

桂原明はふと思い出した。今日電話をかけたとき、上本圭が葉山風子の連絡先に「旦那」なんて登録されていないと言っていたことを。これが彼の好奇心を掻き立てた。

「一体どんな名前なんだろう?」桂原明は葉山風子のスマホを手に取った。

葉山風子のスマホはパスワ...

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