第19章

桂原明は頭を下げて確認してみると、大変なことに気づいた。先ほど壁に押しつけられた際に、バスタオルが落ちてしまい、今は完全に裸になっていた。

桂原明は慌てて床に落ちたバスタオルを拾い上げ、再び下半身に巻きつけた。

その時、葉山風子は視線を別の方向に移し、まるで何も見なかったかのように振る舞っていた。

「今、何か見たか?」桂原明は顔を曇らせて尋ねた。

葉山風子は首を横に振り、真剣な表情で答えた。

「すごく眠くて意識がはっきりしてなかったから、何も見てないよ。どうしたの?」

桂原明は首を振った。

「何でもない。見てなかったなら安心だ」

桂原明はそう言うと、ドアの方へ歩き出した。ドア...

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