第20章

桂原明の元々の怒りは、葉山風子の「これでお互い様」という一言で簡単に鎮まってしまった。

その後のひととき。二人は唐揚げを食べながらビールを飲み、奇妙な平和の中で過ごしていた。

アルコールで二人の顔が桜色に染まるまで、葉山風子は突然桂原明の隣に座った。

「覚えてる?私が最初に言ったこと。仕事を見つけて、あなたを養うって。今、私の使命は半分達成したわ!素晴らしい仕事を見つけたから、これからはあなたを養うのは私よ。もうお金持ちの女性に仕えなくていいのよ!」葉山風子は口元に得意げな笑みを浮かべた。

「これからの幸せな生活に乾杯!」葉山風子は嬉しそうに自分のビール缶を桂原明のビール缶とぶつけ、...

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