第40章

小山友夫の説明によって、事の経緯はすぐに明らかになった。この予期せぬ事故は、単なる誤解から起きたものだったのだ。

「僕と安里浩二はこのタイプの車に乗ったことがなくて、ずっと興味があったんです。今回やっと機会があったので、試しに乗ってみようと思ったんですが、乗り込んでみたら内装が他の車と全然違うんです。安里浩二が何かを押してしまって、車が急発進してしまって...」小山友夫はベッドに横たわりながら、弱々しく当時の出来事を語った。

葉山風子と桂原明はようやく理解した。彼らが車に乗り込んだ直後、なぜ車が狂ったように飛び出したのかを。

「道で一台のポルシェを見かけて、そんな高級車に乗れる人ならこ...

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