第42章

葉山風子は自分の下半身に広がる濡れた跡と、濡れてしまったズボンを一瞥し、ビルから飛び降りたい衝動、あるいは目の前の桂原明を殺して口封じしたい衝動に駆られた。

「大丈夫だよ、悪夢を見て怖くておねしょしちゃうなんて、僕も10歳までは経験あるし。君は成長が少し遅いタイプかな?」

桂原明は気まずそうに笑った。

桂原明は実は葉山風子を慰めようとしたのだ。こういうことは口に出すのは恥ずかしいと知っていたからだ。しかし、葉山風子の目に殺気が宿り始めていることに気づいていなかった。

「成長が遅いのはあんたでしょ、私の体型はヴィクトリアズ・シークレットのランウェイを歩けるレベルよ」葉山風子は不満げに桂...

ログインして続きを読む