第46章

桂原明は中国に閉じ込められている二人の友人のことを思い出した。前回、彼らから送られてきた写真では、二人とも体重が30斤も増えていた。

写真の中の二人はダウンジャケットを着て、まるで二匹の巨大な褐色熊のようだったが、彼らの生活は熊よりもずっと良かった。それぞれが手に一本の羊の脚の焼き肉を持っていたのだ。

写真を通してさえ、桂原明は焼き肉の香りをかすかに嗅ぐことができるような気がした。

突然、桂原明の鼻がピクリと動いた。本当に焼き肉の香りがしているような…。記憶から我に返ると、葉山風子が大きな魚の切り身をフライパンに入れ、周りには溶けたバターを置いているのが見えた。

バターが溶け、魚の焼...

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