第48章

葉山風子がトイレから飛び出してきた時、桂原明はすでに魚のスープを飲み干していた。

桂原明は気持ち良さそうにげっぷをして、お腹をぽんぽんと叩いた。

「このスープは、俺に唾液入りの魚を食べさせた代償だと思ってくれ!エアフライヤーの中の魚肉はお前にやるよ!」

葉山風子はすっかり怒り心頭になった。桂原明のお腹に一発お見舞いしようとした瞬間、彼は突然手に持っていたスープの器を彼女に差し出した。

葉山風子は反射的に器を受け取ってしまい、すると桂原明は玄関へと駆け出した。

「ごめん、風子ちゃん、会社から残業の連絡が来たんだ。食べ終わったら早く寝るんだよ。明日はお前特製の魚の皮を楽しみにしてるから...

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